「安さ」と「働く人のしあわせ」は両立するのか。
人の力だけに頼らない新しいローコストオペレーションの構築をめざして。

最近、ディスカウントストアが注目を集めています。その理由のひとつが「安さ」。日常的に使えるディスカウントストアが増え、いまや私たちの生活に無くてはならない“暮らしのインフラ”として広く浸透しています。ではこのディスカウントストアの代名詞ともいえる「安さ」はどのようにつくられているのでしょうか。

一般的にディスカウントストアの安さは、大量仕入れや独自の仕入れルートの開発など、さまざまな企業努力によって支えられており、働く人の労働力に頼ったローコストオペレーションもそのひとつでした。少ない人数でたくさんの仕事をこなせばその分、人件費を抑えて価格に反映することが可能です。しかし反面、一人あたりの負担が大きくなる可能性があります。働く人の負担を抑えながら、同時に「安さ」を実現することはできないのか…。

その答えのひとつが、店内作業を省力化する設備や什器の積極的な導入、レジの自動化といった新たな店舗オペレーションの構築です。

目標は「小売業は大変…」というイメージをくつがえすこと。
新しいオペレーションと省力化什器の導入でめざす、事業の成長と働く人のしあわせの両立。

イオンビッグが現在、エクスプレスと呼ばれる小型店舗を中心に推し進めているのが“インストアゼロ化戦略”です。これは従来、店舗ごとに個別に行っていた精肉、鮮魚などの調理・加工・パック化などの作業を集約して行うことで店舗での作業負担の軽減に繋げるもので、そこにかかっていたコスト(人件費)や店舗の必要面積を削減でき、出店コスト・店舗運営コストも抑えることが可能。今後の出店、成長戦略にも大きく寄与することが予想されます。

またイオンビッグでは新店、リニューアル店舗を中心に「省力化什器」と呼ばれる独自の什器を導入しています。例えば棚に備えられた大きなカゴにひとつひとつ商品を陳列せずにそこに投入することで商品を補充することができるなど、作業の大幅な効率化が可能です。こうした什器を積極的に導入することで「誰にでもできる作業」を省力化し、その分、その人しかできない仕事に時間を割く、あるいは新しいことを学ぶ=リスキリングをするなどの成長の機会に繋げることができます。

さらに物理的な作業負荷が減ることは、年齢や性別に関係なくその人らしい働き方を推進することになり、結果としてダイバーシティ&インクルージョンな企業風土の醸成にもつながります。

働く一人ひとりのしあわせが、地域や社会のしあわせをつくる。
Employee Happiness(従業員の幸福)を上げた先にあるもの。

なぜ、働く一人ひとりのしあわせが重要なのでしょうか。私たちイオンビッグは“Discount for all well-being”(すべての人をしあわせにするディスカウント)というビジョンを掲げています。私たち働く従業員は皆、仕事を終えるとひとりの生活者として地域・社会へ帰っていきます。

企業は人を通して地域や社会と繋がっています。だから私たちは、前述のビジョンを実現していくためにはまず当社で働くことそのものがしあわせでなければならないと考えています。年間休日125日。そのうち、20日間は長期休日として利用できる制度や1時間単位で取得できる有給休暇など、イオンビッグでは、ワークインライフ(人生の中に働くことがある。人生の目標を達成するための手段としての“仕事”という考え方)を中心に据え、人事制度改革・オペレーション改革・教育制度づくりを進めています。

また、職場で共に働く部下・スタッフの仕事と生活の両立を考え、部下のキャリアと人生を応援しながら組織の業績も結果を出し、自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司の育成をめざす「イクボス企業同盟」にも参加。Employee Happiness(従業員の幸福)を上げた先にこそ、「すべての人々をしあわせにするディスカウトストア」というビジョンの実現がある。私たちはそう考えています。

働く環境の整備促進への取組み

「トモニン」
(仕事と介護を両立できる職場環境)に認定

女性活躍推進法に基づく「えるぼし」企業に認定

「くるみん」(子育てサポート企業)に認定

パートタイム労働者活躍推進企業
平成29年度『奨励賞』を受賞